我が家の暮らしを支える買い出し事情 〜パタヤ生活、お買い物ルーティン最適化〜

かいもの

パタヤへ本格的に移住する前、私たちは何度となくこの街を下見に訪れておりました。そのため、街中にBig CやLotus’s、Tops、Makroといった大型スーパーマーケットがどこにあるのかは、移住前から十分に把握はしていました。移住の計画を練る段階で、「日々の買い物はこれらのスーパーで済ませれば、日本にいた時とさほど変わらない生活が送れるだろう」と、買い出しのシミュレーションはすでに完了しているつもりでした。

しかし、実際にパタヤでの生活をスタートさせ、数ヶ月が経過すると、事前の想定と現実の生活との間にズレが生じ始めました。

大型スーパー依存の限界と、鮮度・品揃えへの違和感

当初、私たちの買い出しは完全にこれらの大型スーパーマーケットに依存していました。明るい照明にエアコンの効いた店内には、日本で見慣れたパッケージの商品が整然と並んでいます。確かにそこへ行けば、生活に必要なものは一通りすべて揃います。

しかし、日々の自炊を続けていく中で、私たちは次第にスーパーの食材に対して違和感を覚えるようになりました。それは家計の負担というよりも、「鮮度と品揃え」に関する不満だったのです。そもそも日本のカレールーや顆粒のお出汁といった軽くてかさばらない調味料は、移住の際に日本からしっかりと持ち込んでおりましたし、帰国時には買い足しています。スーパーで割高な輸入日本食材を頻繁に買うことはほとんどありません。ですから、日本からの輸入食材によって生活費が跳ね上がるといった事態には陥っていなかったのです。

私たちが直面した本当の問題は、現地の生鮮食品のクオリティでした。スーパーの棚に並ぶ野菜や肉・魚介類は、綺麗にパック詰めされて衛生的ではあるものの、鮮度が感じられず、どこか元気がありません。また、選べる種類も限られており、毎日の食卓に変化をつけるには品揃えが物足りなかったのです。

さらに私たちを苦しめたのが、南国特有の気候の中での「飲料水問題」と、それに伴う肉体的な疲労です。

実は移住当初、飲料水はコンドミニアムに設置されているRO膜(逆浸透膜)浄水器を利用し、専用のガロン容器に汲んで購入しておりました。しかし、機器のメンテナンスが行き届いていなかったせいか、次第に水から異臭を感じるようになり、利用をやめてしまったのです。その後、自室への家庭用浄水器の導入も検討いたしましたが、すでに導入されている在住者の方がインターネットにアップしていた「たった1ヶ月利用しただけでひどく汚れたフィルターの画像」を拝見して衝撃を受け、飲料水としては向いていないと判断し導入自体を断念してしまいました。

そこで仕方なく、ペットボトルの水を購入する生活へと切り替えました。近所の個人商店で1.5リットルのペットボトルが6本セットになった重いパッケージを買い、それをコンドミニアムの部屋まで毎回自力で運んでいたのです。大した金額差ではないにせよスーパーで買うよりは当然割高になりますし、何より日々のこととなると非常に面倒臭く、強い日差しの中で重たい水を自室まで運ぶ作業は、まあまあな重労働として私たちを苦しめました。

「ハイブリッド型調達スタイル」への移行

そこで私たちは、一箇所ですべてを買い揃えるという大型スーパー依存の発想を捨てることにしました。食材の良し悪しを見分けるようなプロの厳しい目を持っていなくとも、日々の自炊を続けていれば、その違いは誰の目にも明らかでした。スーパーの棚に並ぶ野菜は、綺麗にラップで包まれて衛生的ではあるものの、少し時間が経って元気が失われており、私たちは以前からその鮮度に対して明確な物足りなさを感じていたのです。

品質と品揃えを根本から見直すため、私たちはパタヤのローカル市場(タラート)へと足を向けました。そこには、スーパーの野菜とは比較にならない、早朝に採れたばかりのみずみずしく力強い野菜や、新鮮な肉・魚介類が山のように並んでいました。しかも、価格はスーパーよりも驚くほどの安さです。妻の厳しい目から見ても、市場の生鮮食品の鮮度と品揃えは圧倒的でした。

こうして私たちは、自らの目で品質を確かめるべき生鮮食品はローカル市場で調達し、自力で運ぶのが困難なペットボトルの水や重量物やかさばる日用品については、デリバリーサービスなどを活用して「外部化」する仕組みを取り入れることにしました。目的やジャンルによって購入先をパッチワークのようにつなぎ合わせる「ハイブリッド型調達スタイル」に変わっていきました。

我が家の買い出し先と、最適化されたルーティン

現在、私たちが日常的に使い分けている調達先は、それぞれの得意分野に合わせて明確に役割分担されています。

① 日常の生鮮食品とローカルグルメ:アモーン・ナコーン市場 (通称:ナクルア市場)& 新ナクルア市場(New Nakluea Market)

我が家の台所として機能しているのは、パタヤ北部にある「アモーン・ナコーン市場」と「新ナクルア市場(New Nakluea Market)」です。パタヤには観光客向けの市場も多数存在しますが、価格や品揃えの面で日常使いには適さないため、私たちはそうした市場を選択肢から外しました。純粋に地元の生活インフラとして機能しているこの二つの市場にのみ的を絞って通っています。

深夜から朝7時過ぎまで開いている「アモーン・ナコーン市場(朝市)」では、その日の朝に採れたばかりのみずみずしい野菜や、新鮮なお肉を底値で調達します。朝の涼しい時間帯に、市場に並ぶ豊かな食材の中から、良質な野菜やお肉を妻が見極めるのは、非常に有意義な時間です。一方、朝から夜21時30分頃まで営業している「新ナクルア市場(New Nakluea Market)」は、日中や夕方の買い出しに重宝しています。言葉の壁はありますが、ジェスチャーで伝わらなければスマホを使えばコミュニケーションに困ることはありません。

また、私たちにとって市場への買い出しは、単なる食材調達にとどまりません。市場は、現代の日本では見かけなくなってきた公設市場や昭和の商店街の雰囲気を感じることのできるエンタメ要素も兼ね備えた場所でもあります。我が家では、アモーン・ナコーン市場で新鮮な食材をしっかりと買い揃えた後に新ナクルア市場(New Nakluea Market)へ立ち寄り、ムーピン(焼き豚)や揚げパン、ちょっとしたお惣菜を購入して帰宅するのが、お決まりのルーティンとなっております。自炊の手間を省きたい時にも、こうした市場の美味しいお惣菜を効率的に活用することで、無理のない、ちょうどこれでいい暮らしを体現するような心地よい食生活を送っています。

② 塊肉や西洋食材の計画的まとめ買い:Makro(マクロ) 

ローカル市場では手に入りにくいオーストラリア産の牛肉、チーズ、大容量のオリーブオイルなどは、倉庫型卸売スーパー「Makro」で計画的にまとめ買いをしています。ここで購入した大きなブロック肉は、持ち帰った後に自宅のキッチンで使いやすいサイズに丁寧に切り分け、冷凍保存しています。これにより、タイ料理だけでなく洋食も日常的に自炊することができました。

③ 重量物の完全外部化:Big Cオンライン・デリバリー、Grab

私たちを最も疲弊させていた「お水の買い出し」は、大型スーパー「Big C」のオンラインデリバリーへ完全に移行させました。「1.5リットルのペットボトル6本セットを10セット」、合計約90kgにもなる到底自力では運べない重量物を、指定日のざっくり午前か午後を指定すればコンドミニアムのエントランスまで配送してもらっています。500バーツ以上購入すれば配達料の69バーツは免除されます。私たちのコンドミニアムには共用のショッピングカートがありますので、配達員さんがカートに荷物を積んでくれて、我々はそれを押してリフトに乗り部屋に運ぶだけです。コストなしでこの重労働をアウトソースできたのは本当にありがたい限りです。さらに、突発的な欠品が発生した際には、配達料20バーツ以下で、注文から大体30分以内には配送してくれる「Grab」のバイクオンデマンド配達を活用しています。

④ 実用品のスポット調達:Mr. DIY 

掃除道具や収納ボックス、文房具といった実用品の調達には、黄色い看板が目印の「Mr. DIY」を利用しています。ブランドを問わず、実用的でコストパフォーマンスに優れたアイテムが驚くほどの低価格で揃っており、生活の中で生じた小さな不便を低コストで迅速に解決するための場所として大変重宝しています。デザイン性は置いておいて実用性を重視されるなら、Index LivingやHome Pro,  ニトリに行かれる前に覗いてみるのも良いかもしれません。

⑤ 美容・バス用品のバルク買い:Pattaya Beauty 

シャンプーやボディソープ、タイ伝統のスキンケア用品は、プロ向け卸売と一般小売を兼ねている「Pattaya Beauty」で一括調達しています。一般的なスーパーやドラッグストアを凌駕する圧倒的な品揃えと割引価格が適用されるため、ここでは現金決済を基本とし、カード決済手数料を回避しながら効率的にまとめ買いを行っています。

⑥ 嗜好品とデジタルインフラの活用:Shopee & Lazada、 その他専門店ECサイト

Wi-Fiルーターなどの通信機器は、街の実店舗を探し回るのではなく「Lazada」や「Shopee」といった巨大なECプラットフォームや専門店のECサイトを利用しています。妻はお気に入りのプラーラー(淡水魚の塩辛のような発酵調味料)やウンセン(春雨)や小物類などをLazadaで購入しています。これらのECサイトは、我が家の毎日の日課であるコーヒータイムを支える重要なインフラでもあります。自宅で淹れるコーヒー豆は、hillkoff.shopから焙煎されたアラビカ豆をオンラインで定期的に注文しています。一方で、オンラインだけに頼るのではなく、パタヤ地元のロースターであるBenjamitなどに直接足を運び、焙煎まもない豆を購入することもあり、デジタルとローカルの実店舗をバランス良く使い分けています。

⑦ 大型家具・家電のインフラ整備:Home Pro & Index Living Mall 

マットレスやキャビネット、冷蔵庫や洗濯機などの大型家具・家電は、「Home Pro」や「Index Living Mall」、「Power Buy」などの大手チェーンで揃えました。予算をかけて品質を担保するのはもちろんですが、配送から現地での組み立て・設置作業(インストールサポート)までを包括してプロに任せられるため、言語や生活インフラにまだ不慣れだった段階でも、確実かつ安全に生活環境を構築することができました。

パソコンやプリンタ、ルーターなどのIT系や家電はPriceza https://www.priceza.com/ という日本の『価格.com』とまではいきませんが、価格比較サイトがありますので相場を調べる意味で利用しています。タイ語サイトですのでブラウザの翻訳機能を活用しています。

まとめ:生活のフェーズに合わせた調達先の最適化

事前にスーパーの場所を知っていたからといって、パタヤでの生活が最初からスムーズに最適化されていたわけではありません。大型スーパーでの買い物が「確実で安全な正解」だと考えていた初期段階を経て、私たちは鮮度、品揃え、そして肉体的な負荷という複数の要素を調整しながら、現在のスタイルを構築してまいりました。

移住初期に大型スーパーを多用していたことは決して間違いではなく、当時の私たちにとっては、急激な環境変化による心身へのストレスを最小限に抑えるための、非常に合理的な選択だったと言えます。しかし、生活基盤が安定し、体力や精神的な余裕が生まれてからは、それぞれの店舗や市場が持つ「強み」を冷静に分析し、自らのライフスタイルに合わせてパズルを組み合わせるように調達先を使い分けることが、最も効率的で心地よいのだと気づいたのです。

無駄な労力や妥協を適切に削減し、本当に楽しむべき食事や生活の質にリソースを集中させる。これからも、パタヤの街の変化や私たち自身の生活のフェーズに合わせて、この「買い出しのパッチワーク」は少しずつアップデートされていくことでしょう。それが、私たちが試行錯誤の末にたどり着いた、パタヤでの持続可能で合理的な暮らしの形なのです。

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